農地購入における2つの選択肢
農地法3条許可よりも農用地利用集積計画の方が有利です
農地を購入する際、2つの選択肢があります。
農地を購入する際の手続きには、農地法3条許可と農用地利用集積計画という2つの方法があります。
農地法3条許可
農地法3条許可とは、農地の購入について、農業委員会の許可をもらうという手続きです。農地法3条に規定されています。
3条は許可、農地は農地のままとして、「そこを耕す人または持ち主」が変更になる場合の許可で、「権利移動」に関するものです。
具体的には、個人または農業生産法人が農業をする目的で農地の売買・貸借等をし、所有権・永小作権・質権・賃借権等の権利を取得した場合です。
農用地利用集積計画
農用地利用集積計画とは、売買契約の代わりに市が農用地利用集積計画を作成するという手続きです。農業経営基盤強化促進法18条に規定されています。
農用地利用集積計画のメリット
農用地利用集積計画には以下のようなメリットがあります。
- 売主は譲渡所得の800万円の特別控除が受けられる
所得税が800万円安くなるというわけではありません。所得が800万円少ないものとして、所得税が計算されるという意味です。 - 買主は登記のための登録免許税が4割に
農地を購入すると登記をします。この登記には、農地の価格の2%の登録免許税がかかります。この2%が0.8%に軽減されます。 - 売主も買主も契約書を作る必要がない
市町村が作る農用地利用集積計画が契約書代わりになります。 - 買主は不動産取得税の評価額が3分の2に
農地を購入すると不動産取得税がかかります。不動産取得税は農地の価格の3%とされています。この3%が2%に軽減されます。 - 買主は司法書士に登記の報酬を支払わなくてもよい
通常の土地の売買であれば、司法書士に登記を委託して報酬を支払います。しかし、農地利用集積計画の場合、登記は市町村にお願いすることができます。したがって、司法書士の報酬を支払う必要がありません。
このように、農用地利用集積計画は農地法3条許可に比べて、メリットが多いです。農地を購入する際には、農用地利用集積計画の手続きを使うことがおすすめです。