農地利用のメリットとリスク
農地を利用する場合、メリットとしては宅地や雑種地を購入する費用がかからないことや、使わない農地を有効活用できること等ありますが、その分、様々な制約があります。
農地転用が出来る土地であることを確認し、銀行からの借り入れや売買契約を進めてしまったものの、相続登記や農振除外申請、開発許可申請といった農地転用許可以外の手続きも必要なことなど、クリアすべき問題が後から後から出てくる場合があります。
そうすると、予定していた工期期間内にはとても終わらなくなってしまい、想定していた費用より多くの経費が発生してしまったり、止むなく断念してしまうなど、農地を利用する場合は様々なリスクがあります。
農地転用違反の罰則
農地以外の土地であれば、基本的に自由に売買や権利の設定、賃貸借の契約をする事が出来ますが、農地の場合は、たとえそれがご自身の土地であっても勝手に処分したりすることは出来ません。違反をすれば原状回復命令を受けるだけでなく、3年以下の懲役や300万円(法人の場合は1億円)以下の罰金に処せられてしまう事があります。
農地転用許可を得るためには
農地転用の許可が下りるかどうか微妙な案件を含め、農地転用許可申請をするには、説得力を持って立証できる書類を提出することが求められます。
まずは、事前に「事実関係、法的な権利関係および状況」を確認し、「法律を順守し、かつ、整合性の高い資料を、様々なリスクを想定し、着実に」準備・作成することが必要となります。
不許可になった事例
賃貸の駐車場経営をする目的で、農地転用許可申請をした場合に、不許可になった事例をあげましょう。
近隣住民から「近隣に駐車場を借りたい」という要望があったことを理由として申請された農地転用許可申請がありました。
農業委員会がその提出された書類のうち、添付書類である「車検証の写し」に記載された車所有者(名義人)の住所を確認したところ、駐車場から遠方の住所である人ばかりであることに気づかれました。
当然、申請内容の信ぴょう性が疑われ、農業委員会に車所有者(名義人)の調査をされます。
その結果、車所有者(名義人)は、農地転用許可申請者の友人や知人であることが判明し、虚偽の申請として不許可になりました。
不許可になるだけでは済まない。
さて、この様な虚偽の申請をした結果、リスクは不許可処分だけではありません。
今後、他の農地で別の許可申請を行った場合でも、同一の申請人である以上、要注意人物リスト(農業委員会が管理しているデータベース)に掲載されるので、問題のない申請をする場合であっても、添付書類や申請書類のつじつまが合わない部分を事細かに指摘され、あらぬ疑いを掛けられ、許可申請自体を受け付けてくれなくなる可能性が高くなります。
許可が厳しくなっている状況
農地法の改正があってから、年々農地転用許可申請に対するチェックが厳しくなってきております。昔は簡単に通してくれたご経験があっても、現在では農地転用許可申請を受け付けている市役所職員から、ダメ出しをされた例がとても多くなってきております。
当事務所では、農地の現地調査から関係法令の確認、必要書類の収集・作成から各役所との調整及び申請まで、安心してお任せいただけるよう、農地転用許可申請のプロとして、お手伝いしております。
AAA行政書士事務所がお手伝いできること
下記の様なことでお困りの際には、お気軽にご相談ください。
- 農地に太陽光発電設備を設置したい。
- 農地を駐車場やコイン洗車場、資材置き場に変更したい。
- 市街化調整区域や農用地区域内の農地転用を自分でやってみたが手に負えない
- 競売で農地を落札して、事業用や自己の宅地等の用途で使いたい
→市街化調整区域であれば農地法4条または5条の許可申請
→市街化区域であれば届出申請をします。 - 農業の規模拡大の為、他人の農地を取得したい。
→農地法3条許可、農業法人の設立をします。 - 農地に自分または子供や孫夫婦のために家を建てたい。
→農業経営者であれば農家住宅としての申請
→立替であれば非農地証明。都市計画法60条申請をします。 - 農地の相続手続きが長い間放置されている状態なので、権利関係等を整理したい。
→相続手続き(相続人調査、相続関係確定、遺産分割協議書作成)
→相続登記申請(同一敷地内にある司法書士事務所と連携)をします。